外国人とコミュニケーションを上手く取れていると自信を持って言える猛者は、もうここでブラウザをそっと閉じてください。
そっ閉じです。そっ閉じ。
・・・
街で外国人に道を聞かれる人、海外赴任やグローバル系の部署への異動する人など、
ふとしたきっかけでいきなり外国人とやり取りをする環境に身を置くことになる人は年々増えているはずです。
(渋谷とかおぞましいくらい外国人の方を見かけます…)
さて、外国人とのコミュニケーションが上手くいかない大きな障害として、英語を始めとした外国語そのものが
話せないからというのがあるかと思いますが、それは実は本当に最初の初歩のハードルです。
たしかに言語の問題は非常に大きいです。
ただ、語学は勉強すれば越えられるコミュニケーションハードルです。
言ってしまえば、やれば誰でも乗り越えられる壁。
なので、今回はあえてここではないその次に待ち構える本当に大きなコミュニケーションハードルについて取り上げます。
あなたの外国人とのコミュニケーションが間違った方向に向いている理由。
ずばり、
「コンテクスト」
です。
コンテクストって何?っていう人のために説明します。
➣コンテクストとは?
コンテクスト・・・いわゆる”空気”です。空気を読むってやつの空気。
この文字や言葉では”ない”部分を普段のコミュニケーションでどれだけ使っているかが、
外国人という異国の地の人間とのやり取りに影響を及ぼすのです。
もっと分かりやすくご説明しましょう。目ん玉かっぽじってご覧くださいませ。
ハイコンテクスト・・・「1を聞いて10を知る」(阿吽の呼吸)
ローコンテクスト・・・「1を聞いて1を知る」
ハイコンテクストである日本人同士のオフィスでよくあるコミュニケーション風景で言うと…
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A:あの書類って準備した?
B:あー、あれならできてますよ!
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・・・気持ち悪いことに、僕たちは最初から指示語や代名詞だけで会話をスタートして、そのまま会話の終焉を迎えるわけです。
一体どんな書類なのかは具体的に分からないけれども、
本人たちは全く問題なく理解しあってコミュニケーションをとれています。
「言わぬが華」という言葉もあるようにこれが日本のハイコンテクスト文化です。
では次に、以下の図でどのような国がハイコンテクストorローコンテクストなのかを見てみます。
➣コンテクストの地域別コミュニケーションマッピング
(参照:エリン・メイヤー「異文化理解力」(2008) P61)
このようにアジアの方がハイコンテクスト、欧米の方がローコンテクストになる傾向があります。
恐らくですが、日本のように島国で外国からの干渉が少なく、移民もほとんどない国はその国の文化のみでコミュニケーションが完結するので、
はっきり物事を言わなくても「相手も同じ文化だから通じるでしょ」とコミュニケーションの道具である言葉や文字を省略していったのでしょう。
このローコンテクストなコミュニケーションの由来はそんな文化のバックグラウンドがあるのです。
➣で、結局コンテクストをどう意識すればいいの?
このように、私たち日本人は良くも悪くも人の気持ちを察する文化に生きていることに慣れているため、
他のハイコンテクストな外国人にも同じようについついコミュニケーションをとってしまいます。
その結果、外国人が
「はっきりモノ言わないと分かんないよ。空気は読むものじゃなくて吸うものでしょ!Why Japanese people!!!!」
とさながら何かの厚切り外国人女に混乱してしまうのです。
もし、外国人に対して自分のコミュニケーションがハイコンテクストになり過ぎているな…という
自覚のある方は意識して言葉や文字にしてローコンテクストに落としてようにしましょう。
もちろん、外国人全員がローコンテクストかというとそういう訳でもなく、
人によってはハイコンテクストなコミュニケーションの人もいるはずなので、
外国人1人1人のコンテクストに合わせて自分の言い方を変えて、円滑なコミュニケーションをとれるようにしていきましょう。
ライター:達也